天使の誘惑/黛ジュン

1968年 作詞:なかにし礼 作曲・編曲:鈴木邦彦

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「ほんのりと異国情緒を漂わせながら/浮遊感ある明るめの旋律が/軽快なリズムに乗って/しっとり心地よく流れる」とでも言えるだろうか。この曲が気に入って「それでは同じような曲を」と探しても他に見つからない。
昭和40年代の歌謡曲のヒット曲ってマイナーなメロディが多いし、明るい曲調だと行進曲みたいなの・フォーク調・オチャラケ系になってしまう。その後のアイドル時代になるとアップテンポの明るい曲も増えるがシットリ感に欠けるし、浮遊するカモメのような心地よさも無い。
そもそもレコード大賞を獲得した曲なのに黛ジュン本人にも同じ路線の曲が皆無なのが不思議というか、きっと 「明るめでなめらかな旋律」って 難しいんだろうなと想像する。

YouTubeでさまざまな歌い手の「天使の誘惑」を聴くと、決して簡単な曲ではないんだなと痛感せざるを得ない。
重い足取りで地を這うような歌になるケースが多いのだ。すると、ただ単に「昔の懐かしい曲」としか聴こえない。それは黛ジュンさん本人の、後年の歌唱にも当てはまる。 (とは言え、この曲を歌っているときは誰もが良い表情してる)

なかにし礼/鈴木邦彦コンビは『恋のハレルヤ』 『乙女の祈り』 『雲にのりたい』等、 黛ジュンの代表曲の多くを手掛けている。
作編曲の鈴木邦彦の作品は、他に、 奥村チヨ 『恋の奴隷』、 ザ・ゴールデン・カップス 『長い髪の少女』、 朱里エイコ 『北国行きで』、森田健作 『友達よ泣くんじゃない』など。
作詞のなかにし礼は前年(67年)にザ・ピーナッツ 『 恋のフーガ』、同年(68年)にザ・テンプターズ『エメラルドの伝説』、黛ジュン『夕月』、翌年(69年)にピーター『夜と朝のあいだに』、弘田三枝子『人形の家』、菅原洋一『今日でお別れ』、森進一『港町ブルース』、奥村チヨ『恋の奴隷』など手掛けている…凄い…

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